Q.若年認知症とは?
A.若年認知症とは、18歳から64歳に発症した認知症疾患の総称を言います{日本の福祉制度では、18歳未満に発症したものは、認知症とせず精神遅滞(知的障害)に含めます}。また、老年期認知症は、65歳以上に発症する認知症疾患の総称です。
Q.日本には若年認知症の患者さんはどれくらいいるのですか?
A.全国に4万人以上いると言われております(もう少し多いかもしれませんが…)。老年認知症160万人と比較すれば少ないと思われるかもしれませんが、人口10万人当たり40人程度と言われてますので、人口100万の県では400人前後、1000万の東京では、4000人の若年認知症患者がいることにとなります。
Q.若年認知症と老年期認知症はどこが違うのですか?
A.どちらも認知症ですから、中心となる症状は記憶障害です。しかし、性差(若年認知症は男性が多い)のこと、認知症の原因となる病気の種類のこと、そして患者に見られる行動異常の内容などについて、老年期認知症とは明らかに異なっています。
Q.若年認知症はどうして男性が多いのですか?
A.頭部外傷・交通事故・アルコール飲酒(アルコール性認知症)が、女性より多いという社会的要因考えられています。また、血管性認知症の原因となる脳血管障害についても、男性に発症しやすいという生物学的要因もあります。
Q.若年認知症にはどんな病気(原因)があるのですか?
A.45歳前と45歳後では病気(原因)の種類が異なります。
18歳から44歳までは、アルツハイマー病は少なく、頭部外傷、血管性認知症、脳腫瘍、脳炎、てんかんなどが多いのが分かると思います。ただし、45歳以上から64歳の場合は、老年期の認知症と似た疾患が多くなります。
Q.行動障害(問題と思われる行動)の特徴はなんですか?
A.アルツハイマー病と脳血管性認知症では、行動障害の種類は違いますが、老年期の認知症と比較して、徘徊・興奮・暴力行為・意欲低下などが多く見られるようです。逆に、せん妄や幻覚・妄想などの精神症状は老年期の認知症より少ないようです。
Q.若年認知症には、どんな問題がありますか?
A.特に家庭内の問題・経済的問題・制度的な問題が挙げられます。
家庭内の問題では、いろいろありますが、介護者の負担やこどもの成長期と重なること、疾患への偏見などがあります。介護者については、介護疲れのため燃え尽き状態(うつ状態)になったり、心理面の問題が解決できずに、アルコール依存症になったり、家庭不和などを生じることがあります。疾患の偏見については、患者を病気として考えられず、怠け者とみて対応したり、他者の目をきにして家に閉じ込めたり、無理を押し付けたりすることです。
経済的問題は、主に働き盛りの男性の問題があります。突然の失業や病床による収入の減少が大きいと思います。
制度的な問題は、介護保険が適応される場合と適応されない場合があることです。さらに、年齢制限のために利用できる施設や制度が異なることが最大の問題と思われます。
(若年痴ほう患者家族のたたかいより抜粋)